−忌服期間は何日間? |
●四十九日までを忌中,一年間を喪中
近親者が死亡したときに一定期間を喪に服することを忌服と言います。明治七年に太政官布告によって「服忌令」が出て,故人との関係によって忌中と喪中の期間が細かく決められました。しかしそれは,百年以上も前のもので,現在では社会と適合した期間に修正され,忌中は四十九日まで。喪中は父母,子や配偶者などのごく親しい関係でも一年間とするのが一般的になっています。 |
−忌服中に近親者が亡くなった場合は? |
●新たに亡くなった人の喪が明けるまでが喪中
忌服期間中に別の近親者が亡くなった場合,新たに亡くなった人の死亡日から次の忌服を重ね,その喪が明けるまでを喪中とします。このように忌服が重なることを「重忌服」と言います。
また遠方にいたために,近親者の死亡を後日知った場合は,不幸を知った日から忌服期間を数えて,喪に服するという習慣があります。これを「聞き忌」「聞き喪」と言います。 |
−忌服期間の心得は? |
@慶事などの華やかな席への出席は控える
結婚披露宴や祝賀会などの慶事への出席は,忌服期間中は控えるのがマナーです。忌服中と言って,丁重に断るのがエチケットです。ちなみに招かれる側として,結婚披露宴への出席は,少なくとも忌明けの法要がすむまでは遠慮するようにします。ただ,父母や子,同居親族などが死亡した場合を除き,本人の気持ち次第で慶事に出席する例もふえています。もっとも相手が気にすることもありますから,一応断るのも心づかいでしょう。
結婚式は,当事者のどちらかが忌服期間の場合は延期するのが常識ですが,亡くなった人との関係,年齢など,ケース・バイ・ケースで考えます。
●神社への参拝,祭事への参加も慎む
神道では死とのかかわりを避けますから,神社への参拝をはじめ,氏神の祭事などへの参加はもちろん,初詣も当然控えます。
翌年の正月は年神を祀りませんから,しめ縄や門松,鏡もちなどの正月飾りは不用,おせち料理やお屠蘇などの用意もしないのが習慣です。もちろん年始回りも控えます。
●年越しと喪中が重なったときは年賀状は控える
喪中は,年賀状を出しません。前もって年賀の欠礼を詫びるあいさつ状を出し,喪に服していることを明記します。 |
−年賀欠礼のあいさつ状はいつごろ発送する? |
●あいさつ状は十二月上旬に届くようにする
注意したいことは,忌服期間が過ぎていると年賀欠礼は必要ありません。例えば祖父母が亡くなった場合は,喪中は五か月ですから,年始に亡くなった場合,その年末には喪中にこだわらなくてもよいのです。
●ビジネス関係者には例年通りに年賀状を出す
プライベートとビジネスとを切り離し,仕事の取引先などには例年通りに年賀状を出すケースが多くなっています。またプライベートでも,死去をわざわざ知らせる必要がないと思える人についても同様にする人がいます。
●欠礼状を出していない人からの賀状には寒中見舞いを
欠礼状を出していない人からの年賀状が届いたときは,松の内(一月七日)が過ぎたころに寒中見舞いを出すようにします。不幸があったために返礼が遅れたことのお詫びを書き添えます。 |
−喪中の人への年賀状や中元・歳暮は? |
●年賀状は控えて寒中見舞いを
松の内が過ぎてから寒中見舞いを出すようにします。年賀欠礼状は受け取らなくても,先方の喪中を知っている場合は年賀状を控えます。親しい人の場合には,松がとれてから,喪中の見舞い状を出すとよいでしょう。
すでに年賀状の手配後に年賀欠礼状が届いた場合は,お詫びとお悔やみを述べたハガキを出すのが礼儀です。
●中元は四十九日を過ぎてから。歳暮は寒中見舞いで
例年通りに中元は贈ってもかまいませんが,忌明けが過ぎてからにします。紅白の水引は避け,白無地の奉書紙に「御中元」か「暑中見舞」と表書きするか,略式の短冊にします。歳暮は年末せまっての忌明けなら,松の内が過ぎてから寒中見舞いとして贈ります。 |
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