−出産祝いはどんな品を?お返しは?
●ふたりの子育て方針をバックアップするお祝いを
贈る人の立場や関係によって,出産祝いの時期や品選びの方法は変わってきます。祖父母の場合は,出産準備を手伝うのも祝い方のひとつ。準備にかかる費用のたしに,現金や孫名義の貯金通帳を贈ったり,ベッドやたんす,乳母車など値の張るものを贈る例が多いようです。
「せめて病院への支払いは・・・」と考えるなら,直接,祖父母が病院へ支払うのではなく,現金をお祝いに。注意すべき点は,ふたりの子育ての方針に沿ってお祝いすることです。紙おむつに決めていたのに布おむつをつくってもトラブルのもと。要は,子育てへの協力,そして孫の出生記念だということを心得ましょう。
兄弟姉妹や親類などは,予算に合わせいくつかの品をピックアップして選んでもらうのも親切です。姉妹や女性の親類なら産婦を見舞い,出産後の手伝いという労力奉仕をお祝いに変えるのも,身内ならではの贈りもの。さほど親しくない関係なら,三〜四か月後に使う育児用品や玩具などを贈るのがいいでしょう。
友人や知人なら,早速お祝いのメッセージを。親疎の度合によってお祝いの方法も変わりますが,ごく親しい女性なら産婦を見舞いましょう。また,お祝いの品は,六か月から一年後に使うような衣類や育児玩具が喜ばれるようです。いずれも,出産後一週間を過ぎたころから一か月後くらいまでに託送し,落ち着いた時期に母子の顔を見に伺うのが心づかいかもしれません。
仲人の場合,若い知人の喜びごとを祝う,という程度に考えましょう。よほど親しい間柄でない限り,産婦を見舞ったり,すぐにお祝いする必要はありません。親しいつき合いがあるなら現金でもいいですが,何か記念になるような品を考えてみてはいかがでしょう。育児方針や好みも考慮して人形や絵画など,ちょっと発想を変えて,子供を生んだ若い父母に紅白ワインのセットやベビーキャリーなどを贈るのも新鮮なプレゼントです。
●内祝いは子供の名前でおくる
お祝いを贈られた場合,地方によっても異なりますが,一か月後くらいに内祝いを贈り,祝いに対しての感謝とします。目安は,いただいた品の半額から三分の一程度。身内には,子供の写真を添えた写真立てや漆器などの記念になる調度品を。友だちには,好みも考えて家庭用品やルームアクセサリーなど,仕事関係者や近所づき合いという間柄なら,鰹パックや紅白の砂糖,ワインなどの祝儀用食品,タオルなどの実用的な家庭用品が一般的です。贈る品には紅白蝶結びののし紙に「内祝」と表書きし,子供の名前をその下に書きます。
−お七夜の祝い方は?
●退院して落ち着いたころにお七夜を
子供が生まれてから七日目の夜をお七夜と言います。お七夜には,その日までに考えておいた名前を子供に命名し,家族やお世話になった方たちで祝い膳を囲んでお祝いするならわしがあります。かつてはこの行事も,父方の祖父が主催して親類や嫁の実家を招いて行われていましたが,このならわしが現代にもふさわしいとは思えません。もし,お七夜のお祝いを行うのなら,やはり生まれた子供の直接の育児責任者である父母が主催するべきでしょう。
実際には,七日目というと母子が退院したばかりのころ。大勢の方を招いてもてなすのは無理があり,母子の健康上,好ましくありません。子供の誕生に夫婦ふたりで祝杯をあげるか,せいぜい,それぞれの親を招いて内々で祝う程度に控えましょう。日取りも七日目にこだわる必要はなく,落ち着いたころを見計らって行うのが賢明です。もし,ある程度の人数を招く必要がある場合は,母子に負担を与えないよう,もう少し日にちが経ってからお披露目するほうがいいでしょう。
ちなみに,祝ってあげる立場の場合は,お七夜のころを目安に郵送や託送でお祝いを贈るのが妥当です。
−名付け親を頼むときのマナー頼まれたときのマナーは?
●命名は親の意思を第一に取りいれて
名前は一生涯ついて回るもの。それだけに,子供に対する親の愛情や期待が込められています。親がどんな思いでその名を選んだか,子供に理解されるようなものを考えるべきでしょう。
以前は,名付け親や祖父母が考えることも多かったようですが,いまでは命名の責任者は子供の親です。とはいえ,現在でも親族や恩師など尊敬する人に名付け親になってもらうことを子供の親が希望する場合があります。そのようなときは必ず出産前にお願いしておいて,いくつかの候補を挙げてもらってそのなかから選ぶようにしましょう。また,逆に親がいくつかの候補を挙げておいて,名付け親に選んでもらう方法もあります。どちらにしろ,子供の親の意思を理解したうえで命名するのが後々に憂いや不満を残さないためにも必要でしょう。
名付け親は,名前が決定したら正式な命名書を書き,お七夜のときに出産祝いとともに持参します。この命名書は神棚があれば神棚に,または子供の枕元の高所に貼り,産婦の床上げのあとにはずして,へその緒とともに保存しておきます。ただし,最近はお七夜の催しを行うことも少なく,あまり格式ばるとかえって迷惑になることもあるのでとくにこだわる必要はないでしょう。名付け親へのお礼は早い時期にするのがマナーです。表書きは「命名御礼」とし,紅白結び切りか蝶結びの水引きを使います。
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