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結婚のマナー

恋愛から結婚へ

−プロポーズされたら?
●うれしい気持ちは素直に表そう
   プロポーズされて,すぐに返事をしなくてもかまいません。自分の気持ちが決まっているならともかく,迷いがあるときは少し時間をもらいましょう。一応,即答を避けるのがマナーです。しかしプロポーズを待っていたなら,素直によろこびの気持ちは表したいものです。そうでなくても,お礼の言葉は忘れずに。
   結婚というのは自分の人生,将来の生活プランを含めて考なければならない問題です。先方に確かめたいこと,知っておいてもらいたいこともあるでしょう。最終的な決断は本人自身がするにしても,その前に周囲のことに思いをめぐらせる必要もあります。親にも認めてもらってから返事をしたいときには,その点を素直に伝えたらいいでしょう。
   「とてもうれしいです。私は今すぐにでもお受けしたいのですが,一応,親の了解をもらいたいので・・・・・・」などと頼みます。

−親に紹介するタイミングは?自宅に招くときの心得は?
●紹介する前、父母に予備知識を
   プロポーズされたら,すぐに親か親代わりになってくれている人に報告し,相手とのことを認めてもらいましょう。時間を置いてからでは「報告」にならず,その間によそから父母の耳に入るようなことがあれば,親としてはいい気持ちはしないでしょう。ですから,この手順は,相手を父母に良いイメージで引き合わす前準備として大事なポイントです。
   父母に会ってもらう場所はどこでもよいのですが,改まった場所ではなく,できれば自宅に来てもらったほうがいいでしょう。大げさなものにする必要はありませんが,お茶の時間に招くといったものが,気負わず自然な形で紹介できます。
   ただ,いくらさりげなくといっても,相手についての予備知識を父母に与えないまま自宅に呼ぶのは賢明な策ではありません。事前に,年齢や職業,出身地,家族状況などを話しておきましょう。お見合いではありませんが,簡単な自己紹介の書類を本人に書いてもらうのも一法。そこから話題も生まれるはずです。

−相手の家に行くときのマナーは?ご両親に紹介されたら?
●親の好物を手みやげに
   初めて相手の家を訪問するときは,手みやげに気を遣うものです。ましてや先方の親に紹介される大事な訪問とあってはなおさら。あらかじめ親の好み,健康状態を相手から聞いておき,好物をみやげとして持っていくようにしましょう。自分の好物を持ってきてくれるのは事前にうちの子から聞いていたのだろうと思ったにしても,親としてはその心遣いがうれしく,よく気がきく人と思うものです。
   手みやげは嗜好品や名菓など食品が適します。いつまでもあとに残るようなものは,初めての訪問には不向き。それに万一の場合を考えて避けたほうが無難です。
●親の前で馴れ馴れしい態度は禁物
   相手の家族の前では,言葉づかいに注意しましょう。日ごろはニックネームで呼びあったり,“ちゃん"づけしていたとしても,馴れ馴れしい呼び方や態度は禁物です。親に対しても「お父さま」「お母さま」と呼びかけるのは慎むべきです。まだ正式な意味での婚約者ではないのですから,けじめはきちんとつけておきましょう。
   会話が進むほどに,相手の親は,あなた自身だけでなく,あなたの家族のことも話題にされるでしょう。そのときは「私の家では・・・」「私の父は・・・」「私のきょうだいは・・・」と家族構成なり人柄を素直に語り,また逆に「こちらのお宅では・・・」「お宅の皆さまは・・・」などと,お互いの家族について自然なかたちで情報交換しておくことも大切です。

−それぞれの親への承諾のタイミングは?
●二人が同じ時期に親に打ち明ける
   二人の間で結婚の意思を確認し合ったら,タイミングを見て,自分の結婚に対する強い意思を親に伝えます。この場合,相手との兼ね合いが大事です。一方が親の承諾を得ているのに,一方はまだ話もしていないというのでは不都合です。できればほぼ同じ時期に,親に話をすすめるように打ち合わせておきましょう。
   親に話を切り出すタイミングは,あわただしい時期や親が仕事上の悩みをかかえているような場合,近親者に不幸があったというようなときは避けて先に延ばしましょう。相手にはそうした事情を詳しく説明して,理解を求めておくことも大事です。
   話を切り出すポイントは,相手についての感想を聞きながら,それをきっかけに結婚へと話題を運んでいくのが自然だと思われます。あるいは,友人の結婚話を足がかりに話を持ちだしてもいいでしょう。
   そうした本人の気持ちやとまどいは,親もまた二十数年前に経験したことでしょうから,あえて術策を練ったりせず,率直に,はっきりと,まっ正面から向かうほうが,同じ経験者として理解が得られるのではないでしょうか。そして,最後の決め手は,結婚に対しての本人の動かない意思だということを忘れないでください。

−親に反対された場合は?
●誠意は通じるという信念で気長に説得する
   親に反対されたからといって,絶望的になったり,自分の気持ちが揺らぐようではいけません。反対されたら,軟化するのを気長に待つ冷静さが大切です。親は人生の大先輩でもあるのですから,その意思は尊重し,何度も話し合うよう努力すべきです。
   親が反対するには,それなりの理由があるはずです。その一つひとつの解決策を見いだすと同時に,誠意は必ず通じるという信念で説得することが大事です。いたずらに感情的になると,かえって無理を生じて思わぬ反動を伴うもの。恋人時代が半年か一年長くなるだけ,というくらいの気持ちになって,気長に,理性的に話すことです。
   どうしても説得しきれないときは,親と親しい人や,学校時代の恩師や先輩に頼むという方法もあります。また,友人や先輩の知恵や助言を借りるのもいいでしょう。しかし,最後は本人自身の誠意と固い決心にあることを忘れないでください。
●相手にも誠意を示すよう努力してもらう
   親の反対があった場合は,率直にそのことを相手に伝えておきましょう。そして相手にも,自分の家族に好感をもたれるよう努力してもらいます。電話でのマナーやデートのときの送り迎えなど,社会人としての節度と親しみのある態度を示せば,家族にも好ましいイメージを与えます。
   逆に,相手の親に反対されたときも同じ。落ちこんだり悲観したりせず,明るく,前向きに考え,誠意を尽くすことが大切です。
   そうして,いろんな苦労の末に親の承諾が得られたら,まず相手にそのことを報告し,早い時期に二人そろって親にあいさつします。同事に,親の説得に力を貸してくれた人たちにも報告とお礼のあいさつをします。

反対するなら理由をはっきり示す(親の立場)
   子どもの恋人に会ってみて,親として賛成しかねるときは,なぜ反対するかをまず自分自身に問いかけてみましょう。単に親のエゴであったり,親の好みで結論を出していないか,もし,そうなら子どもの意思に反対はできません。親と子はべつの人格をもった,対等な個人だからです。
   しかし客観的にみて,子どもの配偶者として不安があるというのなら,その点をはっきり子どもに伝え,子どもの意見を聞いてみます。そして,一つひとつ気になる点を具体的に示し,子どもの考え,解決法,対処法を確認することが大切です。


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