−縁談が重なったときは?
●紹介者に相談して短期間に見合いを重ねる
書類を見て会ってみたいと思っても,すでにほかに見合いの約束をしていたという場合もあるでしょう。先の話に結論が出るまで返事を保留するのは失礼ですから,紹介者にありのままを話して,先約の見合いのあと,会う手はずを整えてもらうようにします。
また,縁談が同時にいくつも重なったときは,書類から二,三人にしぼり,短期間につづけて見合いをします。どちらの場合も,見合い後の交際は一人にすること。複数の人とおつきあいをするのはエチケット違反です。
なお,複数の人とお見合いをすることは,ごく親しい紹介者であればざっくばらんに話して,相談に乗ってもらうのもいいでしょう。しかし一般的には,ほかの縁談のことは伏せておくほうがいいようです。
−見合いを望むときは?
●都合のいい日時,場所を紹介者に伝える
結婚相手としての条件にほぼかなっていると確認でき,相性も良さそうだと感じたら,とにかく会ってみることです。まず紹介者に,電話でもかまいませんから「一度お目にかかりたいと思いますので,よろしく」と自分の気持ちを伝えます。その際に,自分の都合のいい日時,希望する場所など,候補を二,三あげて伝えておくと紹介者の手間が省けます。
双方が合意すれば,紹介者は日取りと場所,付添人の有無など,具体的なセッティングをします。見合いをする本人は,紹介者の連絡をよく聞いて,自分の都合を伝えたり,準備にかかるとよいでしょう。また,見合い当日のために,自分の結婚に対する考え方が相手に伝わるよう考えをまとめておくことも大切です。
−日時・場所の決め方は?
●仕事をもっている場合は休日の午後がベター
日時と場所の希望は,事前に紹介者に伝えておきますが,しかし,忙しいからといって,日にちや時間を極端に限定するのは相手に対して失礼です。初めての出会いですから,双方ともいいコンディションで,ゆとりをもってのぞめる日時に決めたいものです。本人が仕事を持っている場合,休日の午後というのが常識でしょう。もう少し時間を限定すれば,休日の午後四時ごろに会うのがいいかもしれません。そうすれば紹介者を交えて一時間ほどお茶を飲みながら話ができ,そのあと,二人だけで夕食をとるのにいい時間帯になるからです。ウィークデーの夕方に会うのであれば,初めに食事ができる場所で会って,そのあと気が向けば軽い飲み物で会話をはずませるという方法もとれます。
●場所選びは本人たちもアイデアを出してみては?
場所は静かでゆっくり話のできるところを選びますが,紹介者にまかせるのではなく,本人たちもアイデアを出してみてはいかがでしょう。ともすれば,見合いは紹介者まかせ,親まかせになりがち。最初の大切な出会いだけに,本人の希望を尊重したいものです。
具体的には,ホテルのティーラウンジや静かなしストランなどが向いています。落ち着いて話ができるよう,個室かコーナーを予約しておくといいでしょう。
困るのは,親の世代の感覚で高級料亭・レストランなどを選んだ場合です。若い人たちには馴じみがなく,そこにいるだけで緊張してしまい,ふだんの自分を見失うことになりかねません。
また,どちらかの側に片寄ったところも避けるべきです。女性にとっては行きつけている場所でも,男性に馴じみがなければフェアな感覚が損われます。その逆も同様です。どちらかの自宅とか親戚の家などがそれにあたります。紹介者の家で見合いをするケースもよくありますが,よほど親しい間柄でないかぎり,かえって緊張が倍加する可能性があるので,場所設定は慎重に決めたいものです。
−付き添いはいるのか?
●一般的には付き添いなし,あるいは双方一人ずつ
かつての見合いでは,双方とも父母が付き添うのが通例とされていました。しかし,それは結婚が家同士の結びつきに主眼が置かれていたころの名残りで,現在は付き添いなしが一般的です。
本人たちにとって,親の前というのは緊張もするでしょうし,日ごろの自分らしさを発揮しにくいものです。二人が気兼ねなく,存分に話したいことを話し,聞きたいことを聞くのが何より相手を理解することですから,本人二人だけのほうが効果的でしょう。どうしても付き添いがいるなら,双方一人ずつ。男性には母親,女性には父親が付き添うのがベター。それぞれ異性の目で見た,べつの目が生きるからです。
紹介者が自宅に招いて見合いをするときのポイント
二人の緊張をほぐすことを念頭に,普段どおりの零囲気で迎えます。料理よりもお茶とお菓子を用意したほうが,気楽なムードがつくれていいでしょう。縁起を気にする地方なら桜湯か昆布茶を。コーヒー,紅茶などでもてなします。二時間を目安にお開きとし,双方同時に引き取っていただくようにします。一方だけが残って話しこむのはマナー違反です。
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