−縁談の世話を頼まれたら?
●気が進まない場合ははっきりと断る
縁談の世話を頼まれるということは,人間的にも社会的にも,それだけ信頼されていることですから,できるかぎり依頼には応えたいものです。しかし,紹介することによって,一組の男女を結びつけ,幸福な家庭生活へと導く重要な役目を担うわけですから,軽々しく引き受けるわけにもいきません。
さしあたって紹介する候補者もなく,気が進まない場合には,はっきり断ったほうがいいでしょう。もちろん,書類などは預からないようにします。うっかり引き受けて,先方に期待をもたせたまま長期間放っておくようなことになると,せっかくの信用も失いかねません。安請け合いは禁物です。
●引き受けた場合は書類にまず目を通す
世話を引き受ける場合は,依頼する側が必ず履歴書や写真を用意しているものですから,まず書類一式を受けとって,よく目を通します。書類は本人が注意を払って書いているはずなのですが,それでも誤字脱字がみつかることがあります。そうしたミスは,依頼者の教養や人柄だけでなく,紹介者の信用にもかかわりますので,きちんと訂正してもらい改めて受けとるようにします。
−本人の意思を確認するには?
●希望条件を具体的に聞く
一般的に,縁談の依頼は親や親戚からくる場合が多く,本人の意思が固まっていないのに依頼されるケースもあります。ですから,まず縁談を求めている本人に,結婚の意思を確認しておくことが大切です。預かった書類の内容は形式的なものですから,本人と会って,ざっくばらんに現在の生活ぶりや結婚観を聞いてみるのがいいでしょう。併せて,相手に対する希望や条件をたずねます。具体的には,@職業・収入,A性格・体格,B学歴・趣味,C共働きの可否,D親との同居などです。
しかし,ここで紹介者の心得として大事なことは,そうした質問が相手のプライバシーを侵すようなことは絶対に慎まなければいけないということです。
−書類・写真を預かったら?
●相手探しは六か月くらいを目安に
本人に直接会って希望内容を確認し,預かった書類を再度チェックします。紹介するにあたって,先方からたずねられる可能性のありそうな事柄,説明に関連して出てきそうな質問もあるでしょうから,ある程度は依頼者に聞いておきます。
たとえば,勤務先がどういう種類の会社なのか,どんな部門の仕事なのか,あるいは,結婚後の住居はどうするつもりかといったことなど,書類を補足する受け答えができるようにしておきます。
縁談を頼まれた段階で心当たりの相手が思い浮かび,すんなりと見合いとなれば申しぶんないのですが,適当な人が見つからない場合,依頼者よりも紹介者のほうがあせってしまうことがあります。しかし,ここであせりは禁物です。一生の伴侶候補者を探すという大役ですから,くれぐれも慎重に,じっくりと,六か月くらいを目安に探すといいでしょう。
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