−内祝に適した品は?
●相手との関係によって選ぶ
内祝いの品物は,相手との関係によって選びます。親しい人なら,記念にしてもらえるような調度品やしゃれた家庭用品を。ご近所や同僚などには気軽に受け取っていただけるようナプキンやテーブルセンターなどの実用品が適当でしょう。また,何でもそろっているような年配の方には,鰹節などの祝儀用品が無難ともいえます。最近は,カタログを見て選んでもらう内祝品(シャディのアズユーライクなど)が,予算に合わせたコースから自由に選べるとあって,人気が高まっています。
紅白結び切りののし紙で表書きは「内祝」とします。名前は新しい姓,目上の方へは姓名を,また親戚などへは姓だけでなく二人の名を連記するのがいいでしょう。
−実家へのあいさつはいつ,どちらを先にする?
●旅行後すぐにあいさつに
二人の実家へは,新婚旅行から帰ったら翌日にでもあいさつに行きます。どちらの実家へ先に行くか決まりはありません。交通の便やお互いの都合に合わせて行けばいいのです。年長の親を優先したり,あとになった家で夕食をともにするなど,バランスを考えましょう。そうした心づかいが,どちらの実家とも同じように未氷く仲良くつき合う基本なのです。
−嫁のみやげ,婿のみやげはいつ,どんな品を贈るのがいい?
●おみやげは家族になったあいさつのしるしに贈る
初めての実家の訪問には,旅行のおみやげとは別に,嫁,婿それぞれが相手の家族一人ひとりにおみやげを贈ります。これは,「よろしく」と新しく家族になったあいさつのしるしに贈るものですから,消耗品や実用品ではなく,相手の身につけるもの,趣味のものなどを選びます。洋品雑貨,和装小物,調度品など,弟妹には万年筆やポーチなどもいいでしょう。また祖父母がすでに亡くなっていれば,仏壇に備える線香を用意します。
●奉書紙二枚で包み,水引は金銀結び切りに
体裁は,奉書紙二枚で包み,金銀の水引を結び切りにし,表書きを「おみやげ」として下に名前だけ記します。ていねいにする地方では目録をつけることもあります。
実家が遠方の場合は,あいさつは次の休暇のときでもかまいませんから,おみやげだけ先に送っておくといいでしょう。
−媒酌人へのお礼のあいさつは?
●旅行から帰ったら自宅にあいさつに
媒酌人のお宅へは,旅行から帰ったら旅先でのおみやげを添えてお礼に伺います。とくに職場の上司が媒酌人の場合は,結婚後の初出勤前に自宅にあいさつに伺うのがマナーです。
お礼の金額は,どれだけお世話になったかによりますが,少なくとも先方がそのために支出した実費といただいたお祝いを下回らないように考えます。挙式当日だけなら五〜十万円,婚約にも立ち会ってもらったなら十〜二十万円程度を目安にするといいでしょう。また職場内などの通例も無視できません。多すぎると先方は負担に思うし,少なければ失礼です。このお礼は男女で折半して出します。お金は金銀か紅白の水引を結び切りにした金包に入れ,表書きは「御礼」とし,二人の新しい姓名を連署します。ただし,お礼の仕方は地方で異なることもあるので,その地域の習慣も参考にしましょう。
●すぐに伺えないときは披露宴後に
媒酌人が遠方の方など,すぐにお礼に伺えないときは,披露宴が終わったあと,その場で席を設けるなどして贈ります。この場合は,旅行から帰ったらお礼と報告の手紙を出し,旅行のおみやげを送るといいでしょう。
−親戚へのあいさつまわりは?
●親戚へは夫妻であいさつを
あいさつをしたい親戚は披露宴に招いているでしょうから,とくにあいさつまわりをしなくてはならないものではありません。しかし,中に高齢でお招きできなかった方など披露宴に出席してもらえなかった方がいらしたら,二人で式後二〜三週間のうちに伺ってあいさつしたほうがいいでしょう。お祝いをいただいていれば内祝いを兼ね,披露宴のときの引出物と同じ品か同程度の品に,菓子折りか果物などを手みやげとして持参して贈りましよう。
親戚以外にも,恩師など世話になっているような方にも,報告がてら相手を紹介するための訪問はしておきたいものです。
−里帰りって,いまでもするの?
昔からのしきたりでは,新婦の里帰りを挙式後三日目,五日目など奇数の日に行っていました。しかし現在では,その必要はないでしょう。二人そろって双方の実家にあいさつに行くのが里帰りに代わるものです。
また,昔は紋付きの羽織りなどを着て礼装をしましたが,現在はそこまでする必要はなく,初めてのあいさつにふさわしいスーツやワンピースなどの改まった装いで訪問すればいいのではないでしょうか。
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