危篤〜臨終(遺族)

−自宅で葬儀を行うときの準備は?
●祭壇を設ける部屋を決める
   家のどの部屋に祭壇を設置するかを,まず決めます。できるだけ広いスペースを確保したいので,ふすまや障子などをはずし,場合によっては家具なども移動させておきます。また額や置物などの装飾品は片づけますが,はずせないものには半紙を貼るなどしてかくします。
   神棚にはご神体が隠れるように半紙を貼り,神棚封じをしておきます。
●玄関は人が通りやすいようにしておく
   戸ロには竹のすだれを裏返しにしてかけ,「忌中」札を下げます。玄関は弔問客が頻繁に出入りしますから,邪魔なものは片づけて広々とさせておきます。
●控え室を用意する
   祭壇を設ける部屋のほかに弔問客に通夜ぶるまいをするスペース,さらに遺族や親族が着替えをしたり,僧侶などのための控え室を確保することも必要です。もしもそのスペースがなければ,近所のごく親しい家にお願いすることも忘れないように。
●喪家への道案内を貼る
   指さし札に家名や日時を記入して,弔問客のために最寄りの駅から電柱や曲がり角に喪家への指さし札を貼っておきます。塀などに貼る場合は,そのお宅に許可をいただくことも必要です。
   弔問客がスムーズに喪家へ辿り着けるように,交番やたばこ屋や酒屋などのお店にもあいさつしておくと,道を教えてくれるでしょう。

−納棺はどのようにする?
●通夜の前にすませておく
   遺体は棺に納めて,通夜の祭壇に安置しますから,その前までに納棺をします。葬儀社の係員の指示に従って,遺族や近親者の手で棺に遺体を納めます。
   棺は完全に閉じずに蓋はのせたままにしておきます。釘打ちは,火葬場への出棺前に行います。
●棺に納める遺愛品を選んでおく
   棺には,仏式なら遺体のほかに経帷子や数珠などを納めますが,故人の遺愛品などを入れることができます。燃えにくいものを避けて,あらかじめそれらの品を選んでおけば,出棺のときにあわてずにすみます。

−遺影の準備はどのようにしたらいい?
●ネガがなくても複写できる
   故人の気に入っていた写真があれば理想的ですが,ひとりだけで写っている写真がない場合には複数で撮った写真から複写して使えばよいでしょう。またカラー写真からも白黒の遺影を制作できますし,カラー写真を遺影に使う葬儀も見られます。

−供花,供物はどのように並べる?
●並べる順序は喪主が決める
   一般的には,棺に近いところから,近親者,友人・知人となり,血縁が深い人のものが,より棺に近くなります。関係者から届けられたものも関係が深い順番に,葬儀社の係員が並べてくれますが,順序は世話役代表などと相談しながら喪主が決定します。並べ終ったあとに届けられたものは,届いた順番に並べてもかまいません。
●辞退したいときは早めに知らせる
   華美な葬儀を避けたいとき,あるいはスペースに限りがあり供花,供物を辞退したい場合は,世話役や葬儀社に早めに伝えて,供花や供物の申し出の連絡に対応してもらいます。また広告を出したり葬儀通知を送る場合は,その旨を記載します。

−届いた弔電は誰に渡す?
●整理して進行係に
   届けられた弔電は,遺族が目を通したら受付係が預かり,ある程度の数がまとまったら進行係に渡します。進行係は,喪主や遺族,世話役と相談して読み上げる順に整理します。