葬儀の後始末

−香典返しをしないケースは?
●一家の働き手が亡くなった場合, 寄付をした場合
   葬儀に際して,香典や供物をお断りすることを明示した場合は,お返しの必要はありません。
   あるいは一家の働き手を亡くしてその子どもが小さい場合などは,経済的な問題もありますから,お返しを省略してもよいでしょう。
   また,いただいた香典を故人ゆかりの事業や社会福祉施設などに寄付をして,香典返しをしないケースもあります。
●香典返しをしない場合でもあいさつ状は郵送する
   それぞれの理由で香典返しをしない場合でも忌明けのあいさつ状を差し出し,遺児の養育費にあてる,寄付に代えるなど,それぞれの使途を報告するのがマナーです。
   寄付に代えた場合は,文面にどこへ,どのような趣旨で寄付したかを明記します。寄付が故人の遺志であった場合はそのことも書き添えておきます。
   また,寄付を受けた機関などからの感謝状や受領証などのコピーを添付しておけば,香典が有意義に運用されたとして,あいさつ状を受け取った人も安心することでしょう。しかし,一般的に,香典返しをしないというのも水くさく故人の遺志ではなかったという話もよく間かれます。この点よく考えて礼をつくすようにしましょう。

−社葬や団体葬の場合の香典返しは?
●遺族が香典返しをする
   社葬や団体葬の葬儀でも,香典は遺族に渡されますので,香典返しは遺族が手配することになります。
   社葬や団体葬は規模も大きく,弔問客も多数になりますから,遺族といえども面識のない会社関係の弔問客が多くなります。そこで香典を受け取るときに,葬儀委員長などに香典返しの手配について相談しておくことも忘れないようにしましょう。

−香典返しを受け取ったら?
●礼状は出さなくてもよい
   基本的に,香典返しの礼状は出さないでよいとされていますが,親しい間柄であったり間違いなく品物を受け取ったという連絡をしたい場合は,少し日をおいてからハガキなどで間接的に知らせるようにします。
   文面は,例えば「先日は丁重なごあいさつをいただき,恐縮です」などと受け取ったことの一文を添えながら,遺族のその後の様子などを見舞うようにします。

●忌明けのあいさつ状の文例
●仏式の文例
   謹啓 御尊家御一同様には愈々ご御清祥のことと御
   慶び申し上げます。
      過日母○○○○儀 死去の節には御多忙中にもか
   かわらず,御懇篤なる御弔慰と御厚志を賜り,誠に
   有難く厚く御礼申し上げます。
      お陰をもちまして 本日四十九日忌法要を相営み
   ました。
      早速拝趨の上親しく御礼申し上げるべきではござ
   いますが,略儀ながら書中をもちまして謹んで御挨
   拶申し上げます。
                                敬具
      平成 年 月 日
                             ○○○○
      追啓 供養のしるしまでに粗品をお送り致しまし
   た。
      何卒御受納下さいますようお願い申し上げます。

※シャディショップでは香典返し,法要などのあいさつ状をご用意しています。ご相談ください。

●神式の文例
   謹啓  時下益々ご清祥の段  慶賀の至りに存じます。
      先般母○○○○死去の節はご丁重なご弔問を頂き
   且つ霊前に過分の御供物を賜りご芳情の程洵に有難
   く御礼申し上げます。
      本日五十日祭に際し心ばかりの品をお届け申し上
   げました。御受納下さいますれば幸甚に存じます。
      早速排趨の上御礼申し上ぐべきはずのところ略儀
   ながら書中をもって御挨拶申し上げます。
                                   敬具
      平成  年  月  日
                               ○○○○

●キリスト教の文例
   謹啓 先般母○○○○召天の際は御懇篤なる御慰問
   を頂き且つまた御丁重なる御厚志を賜り誠にありが
   たく御厚礼申し上げます。
      本日諸式滞りなく相すませました。
      就きましては霊前に賜りました御芳志殊の外
   辱く慈に心ばかりの品をお届けさせて頂きました。
      御受納下さいますようお願い申し上げます。
      先は略儀ながら書中を以て謹んで御挨拶申し上げ
   ます。
                                 敬具
      平成 年 月 日
                              ○○○○