結婚のマナー

恋愛から結婚へ

−親同士を合わせる時期は?費用は?
●場所・日時は親の都合を優先して
   親の同意を得たら,結婚によって姻戚関係になる親同士も顔合わせをするのがマナーであり,必要です。婚約や挙式までの準備をスムーズに運ぶためにも,一度,双方の親に会っておいてもらいましょう。
   かつては,男性側の親が女性宅に結婚の“申し入れ"に赴くのがしきたりとされていましたが,現代では二人の意思が決まっているのですから,親同士のあいさつと考えればいいでしょう。
   段取りは,若い二人が決めます。場所,日時は親の都合を優先し,お互いに負担にならない所を選びます。どちらかの自宅ですと,もてなす側も訪問する側も余計な気遣いをしがちですから,落ち着いたレストランなどを選び,食事をしながら歓談するかたちがふさわしいでしょう。これはまだ正式な婚約ではないので,出席者は双方の親と本人二人。この時点ではきょうだいまでは不要です。
●費用は本人二人が折半する
   はじめに男性側から,本人が自分の父と母を女性の親に紹介し,つぎに女性本人が,自分の親を紹介します。紹介が終われば,あとはそれぞれの親が,なごやかに会話を進めていってくれるでしょう。
   この席は二人が主催するかたちにし,親同士が打ちとげてきたら,今後のスケジュールや,婚約のかたちをどうするか,式披露についての希望などを話し合うといいでしょう。費用は,二人のために親たちに来てもらったのですから,本人同士で折半にするのが原則です。

−婚約前のつきあいで大事なことは?
●訪問時には心のこもった手みやげを
   親同士の対面が終わると,先方の家を訪れる機会が多くなります。この時期は,まだ正式に婚約したわけではないのですから,相手の親に対しても「お父さま」「お母さま」ではなく,「おじさま」「おばさま」と呼んで,婚約前であるというけじめをはっきりさせます。また,できるだけ“二人だけ"になるのを避けましょう。
   年下の弟妹とは親しくつき合いたいものです。弟妹は,兄(姉)のお嫁さん(お婿さん)候補に強い興味を示すものですから,将来の義弟,義妹と考えて打ちとけたつき合いを心がけましょう。
   訪問の際に,ちょっと工夫を凝らした手みやげを持っていくようにしたらどうでしょう。季節の花や,自然な香りのするくだもの,ふるさとの名産品など,心がこもった品を持参するほうがよろこばれますし,あなたの人柄もゆかしく受けとられるでしょう。また,相手の家族の誕生日に気のきいたプレゼントを贈るというのも親密感が生まれていいと思います。あまり馴れ馴れしい感じのものではなく,ケーキや花,お酒などを選び,高価な品は避けたほうが無難です。恋人への贈りものも同様で,高価な品物はむしろ金銭感覚を誤解されます。
●婚約前の交際は慎みある態度が肝要
   親の承諾を得ても,二人はまだ恋人の段階ですから,いわゆる“夫婦気取り"は慎みましょう。傍目に見苦しく映るだけで,ブラスどころかマイナス効果を与えかねません。
   連絡を取り合うのによく電話を使いますがその際にも慎みを忘れず,周囲に気を配りたいものです。まず,職場への電話はできるだけ避けるよう心がけましょう。私用の電話を禁止している職場もありますし,電話での会話はまわりの人も気にするもの。やむを得ない急用で連絡を取るときには,用件を伝えるだけにするよう二人で申し合わせておきます。同じ職場なら,なおさら注意が必要でしょう。
   また,家庭への電話も,食事時間や早朝,深夜などは慎むべきです。もちろん長電話は禁物。そして電話の終わりには,親や家族へのあいさつ,ことづけを付け加えることを忘れないようにします。


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