結婚のマナー

縁談を求めるとき

−交際を望む場合は?
●つき合いは双方の家族にはオーブンに
   見合いの印象でお互いに気に入ったら,とりあえず紹介者に相談して,つぎのデートの日時,場所を決めてもらいます。直接連絡するように言われたら当人同士で連絡をとりあいます。
   この交際は,二人がお互いに結婚相手としてふさわしいかどうかを見極めるためのものです。ですから,あくまで「結婚を前提とした交際」という心構えが必要です。
   見合い後,初めてのデートは,男女いずれから電話をしてもかまいませんが,なるべく早く出会いをもつようにします。その間に,お互いの結婚観や人生観を理解し合い,相手の性格や人柄を観察します。
   おつき合いが決まったら,双方の家族にはオープンにしておくほうがいいでしょう。紹介者には事後の報告で十分です。

−いざ交際を始めたら?
●デートの費用は折半が原則
   ニ,三か月おつき合いをしてから結論を出すのがふつうですが,その期間にお互いを理解し合い,恋愛感情が芽ばえれば理想的でしょう。そうしたプロセスを大切にするためにも,節度ある交際を心がけたいものです。
   デートは,遠出を避け,帰りも夜遅くならないようにします。食事や映画観賞,互いの趣味などを通じて相手を理解し,将来についてどんな考えをもっているかなどを話し合うといいでしょう。デートの費用は折半が原則。といっても支払いのたびに折半では不粋ですから,食事をごちそうになったら,映画代はもつというように,全体の支出に対して半分程度を負担し合います。
●紹介者に経過報告を忘れずに
   交際の進展状況について,時折,紹介者に報告するのが礼儀です。紹介者は二人を引き合わせるだけでなく,結果が出るまで責任がありますから,経過報告は忘れずに。また,二人の間に何か問題が起きたときも紹介者に相談します。報告は電話でいいですが,いつも一方が報告するというのでは話が偏りがちですから,できれば双方が交互に報告するといいでしょう。
●プレゼントの交換は控える
   交際を始めた初期は,まだ恋人でもない,婚約者でもない間柄ですから,できるだけプレゼントのやりとりはしないようにします。それが相手の誕生祝いであっても,結論の出ないうちは,食事をごちそうするとか花を贈る程度にしましょう。万一,破談になった場合,高価なプレゼントなどはトラブルの原因にならないとも限りません。

−親を紹介するタイミングは?
●自分の家族や家庭の雰囲気を知ってもらう
   デートを三,四回重ねたら,お互いに自宅に招いて家族を紹介するようにします。
   その目的は,自分の家族や家庭の雰囲気を知ってもらうことと,交際中の相手を家族の側から見てもらうことです。また,日常的な家族だんらんの場をお互いが味わうことで,二人きりのときには見えなかった一面が発見でき,理解を深めることにもつながります。
   訪問日が決まったら,自分の家族に二人の交際状況やデートでどんなことを話し合っているかなどを伝えて,予備知識を豊かにしておきます。家族のほうにその予備知識がないと,招かれた側は改めて交際状況を説明したり,唐突な質問を受けてとまどったりして,訪問の目的を狂わせてしまうことがありますから注意が必要です。
   訪問する日時は,休日の午後がいいでしょう。食事というと相手も気を遣うでしょうから,お茶とお菓子程度のもてなしで会話をたのしむひとときを心がけたいものです。もし,家族がどうしても食事でもてなしたいというような場合は,わが家なりのメニューを披露すればいいでしょう。つまり,母親自慢の手料理を出すのがいちばんです。

−相手の家に行くときのマナーは?
●まず自分の現在の気持ちを確認する
   相手の家に招かれたら,まず自分の現在の気持ちを冷静に確認してみることが大事です。このまま交際をつづけたいと思っているのか,あるいは当初と印象が変わってきて迷い始めているのかなど,考えがまとまりかけているはずです。ためらいがある場合,相手の家族と会ったりすると,先方に期待をもたせることになるので,訪問前に気持ちを整理しておきます。
   訪問することになったら,できれば時間は食事どきは避け,お茶の時間にしてもらいます。まだ婚約まで至っていない間柄ですから,それなりの遠慮が必要です。
   当日は手みやげを用意しますが,あまり大げさなものではなく,季節の果物などを選びます。ただ,相手の家の近くで思いついて買ったというのでは困ります。それなりの名店で前々から心がけていたということを理解してもらえるような品を考えたいものです。

−意志の確認、結論の出し方は?
●自分の考えと第三者の意見を総合して結論を出す
   ある程度交際を重ねて,その間にお互いの家族や友人を紹介し合ってから三〜四か月以内に最終的な結論を出せるようにします。交際期間が一年,二年というのは適切ではありません。長くつき合ったために結婚の時期を逸したり,そのときになって断りきれなかったり,というのではお互いに不幸です。
   結論を出すのに決まった方式はありませんが,いくつかポイントはあります。第一に,書類に書かれていた内容と,実際つき合ってみて感じた相手の実像とにどれだけ差があるかという点です。履歴書や生活状況は自己PRの要素がかなり含まれていますから,その点をよく比べてみることです。
   さらに,家族や友人たちから見た相手の全体像も大事なポイントになります。本人が気づかなかったこと,見逃していた点などが,第三者には意外とはっきり見えるものなのです。もちろん,そうした見方には主観も入ってきますから,その点も考慮して,判断の一つの材料にしたいものです。
   そして,最終的に結論を出すのは本人自身です。結婚の意思を固めるにしろ,交際を打ち切るにしろ,結論が出たら,はっきり伝えましょう。交際を断る際には,優柔不断の態度をとったり,情けにひかれるようなことなく話すほうが,先方にとっても親切なやり方です。また,逆に相手から断られた場合は,緑がなかったものと割り切り,すっぱりあきらめることが肝心です。


:結婚のマナー 前のページ 次のページ