結婚のマナー

挙式・披露宴に招待されたら

−結婚祝いの品選びのコツは?
●希望に沿った品物か,新生活に必要なものを
   結婚祝いの品物は,同じものがダブったりしないよう,親しい間柄ならば,希望の品を聞いてそれを贈るのも一つの方法でしょう。そうでなければ,新生活に必要な品であってそこまでは手がまわらないと思われるもの,いくつあってもよいものにします。
   お祝いの品として人気があるのは,食器セット,コーヒーカップやティーカップ,ホットプレートやコーヒーメーカーなどの家電製品,インテリア小物など。自分の好みを押しつけたりせず,相手の立場に立った品選びがポイントです。
   品物は奉書紙二枚で包み,ナマモノ以外は必ずのしをつけ,紅白か金銀の水引を結び切りにかけ,「寿」か「御祝」と表書きします。
●昔といまとでは違う祝い品のタブー
   昔は結婚祝いの贈り物には,切れる,こわれる,裂けるなどを連想させる刃物や陶器,ガラス器,ナイフとフォークセットなどは嫌われていました。しかしいまでは,これらのものもどんどん贈り物に使われています。縁起をかつぐ人でなければ気にする必要はありません。
   それよりも意外と気づかないのが,新郎新婦の会社のライバル社のもの,異性に贈るときのアクセサリーや下着など身につける品。これらの品は避けるのがマナーです。

−ブライダル・レジストリー欲しい商品を小売店に登録しておく
   アメリカ,イタリア,フランスなどで人気のあるのが,結婚の贈りものを受取る側が,あらかじめ欲しい商品を小売店に登録しておく「フライダル・レジストリー」「リスト・ド・マリアージュ」というシステム。贈る側は相手から登録店を知らされ,リストアップされた商品の中から予算に合った品物を選ぶという合理的なギフトシステムです。「ギフト商品のたらい回しがなくなり,ムダが省ける」と喜ぶ利用者がほとんどだといいます。
   日本でもこうしたギフトシステムが採用される日は近いような気がします。

−結婚祝いを贈る時期は?
●遅くとも挙式の一週間前までに
   お祝いの金品は,招待を受けてから挙式の一週間前くらいまでに贈るようにします。ていねいにするには自宅へ直接届けますが,相手の状況に合わせて,外で会って手渡すか,託送したり,専門店から直送してもいいでしょう。その場合はお祝いのメッセージを添えるか,送り状を別送します。
   挙式までにお祝いが間に合わないときは,新郎新婦が新居に落ち着いてから,必要な品や不足していた品物を聞いたうえで贈るといいでしょう。
   招待されないけれど祝福を形にしたい場合も,新居に荷を運ぶ一週間ほど前に贈るのがマナー。あるいは新居に落ち着いてから贈ります。お返しの負担をかけないためには,少額の現金か実用的な品物にするのがコツです。

−持参するときのマナーは?
●持参するかどうかはケースバイケースで
   結婚祝いは,かつては挙式前の吉日の午前中に自宅へ持参したものでした。しかし,住む場所も離れ,互いに多忙な時代,自宅を訪問することが先方に負担を与えることにもなりかねません。そこで,持参すべきかどうかは相手によって考え,しきたりを重んじ,訪問を喜んでくれる人なら持参するようにします。
●ていねいなお祝いは熨斗,末広を添えて
   ていねいなお祝いの届け方としては,お祝いの品や金包に,慰斗と末広を添えます。白木でできた片木(へぎ)盆の上に熨斗,金包(品物またはその目録)末広を載せます。なお,関西の方へ現金を贈るなら,金包の下に和合紙(半紙を抱き合わせに二つ折りにしたもの)を敷くのが通常です。また片木盆をさらに塗りの広蓋の上に載せます。これにふくさをかけ,風呂敷に包んで持参します。
   先方に着いたら,風呂敷から盆ごと取り出し,お祝いの言葉を述べ,ふくさを取り除いて盆のまま先方に差し出します。盆は,片木盆の代わりに塗り盆を使ってもいいですが,これは返してもらうことになるので,少し略式になります。


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