結婚のマナー

縁談を依頼されたら(紹介者側)

−縁談のすすめ方は?
●幅広い交際範囲から相手を選ぶ
   紹介する相手の心当たりがあれば,その本人か親に,まず結婚の意思があるかどうかをたずねます。いくらよい縁談でも,いきなり「とてもよい相手だから,いかがでしょう」と切り出すのは失礼ですから,それとなく当人のことを話題にして,結婚の意思を確かめてみます。脈があると感じたら「実はわたしの知り合いに・・・」と話を切りだします。
   しかし,身近に適当な相手がいるとばかりは限りません。そういう場合は,まわりの友人や親戚などに声をかけて,ふさわしい人がいたら知らせてもらいます。相手を探してもらうときは,依頼者側がどんな人で,どういう相手を求めているか,ある程度の輪郭がわかるよう説明して,もし心当たりがあるということになったら,その相手のプロフィールを同じように教えてもらいます。そして,これならと思う相手であれば,その人に間に入ってもらって,先方の意思を打診してもらいます。預かっている履歴書や写真を見せるのは,先方にその意思があると確認してからにします。先方がこの話に応じるようなら,先方からも書類などを預かり,依頼者側に渡します。
●"仲人口"と無理強いはタブー
   返事は両者からすぐに返ってくるとは限りません。適当な頃合いをみて,返事を促さなければならないこともあります。
   決断を促すというのはむずかしいもので,つい話をまとめることを優先させて,いわゆる "仲人口"になりがちですが,いいことばかりを伝えるのはトラブルの原因になります。また「こんなにいい話はめったにない」というような無理強いはよくありません。「一度会ってみては」と促しはしますが,場合によっては「もう少しお考えになって」と時間をおくことも必要になります。いずれにしても,催促がましくならない配慮が必要です。

−良い相手がみつからなかったときは?
●月に一度くらいは連絡して近況を聞く
   縁談を引き受けたものの,適当な相手が見つからないこともよくあります。
   依頼者は,期待して返事を待っていますから,無制限に放っておくわけにはいきません。ほぼ六か月を目安に探す努力をつづけますが,その間“ナシのつぶて"では依頼者に失礼です。依頼を受けて一か月たっても相手が現れなければ,電話でその旨を連絡して,もう少し時間をいただきたいと伝えます。その際,依頼者の近況などを聞くようにします。
   また,条件がむずかしすぎて候補者が見つからないときもあります。そう判断できる場合は,時間かせぎのようなことはせず,率直に「いろいろ当たってみましたが,わたしの力ではご希望にかなうお相手がみつかりませんので」と書類一式を返却したほうがいいでしょう。

−見合いのセッティングで大事なことは?
●お茶とお菓子で気軽に話し合える場を設定する
   双方が合意したら,見合いの段取りに入ります。紹介者は,当事者の希望をよく聞いたうえで,日時と場所のほか,服装,付き添い人の有無など,双方のバランスがとれるようアドバイスします。
   まず日時と場所。かつては,見合いの日取りも吉日の午前中がよいとされていましたが,最近は当事者の都合に合わせ,くつろいだ気分で話のできる土曜,日曜,祝日を選ぶのが一般的です。時間は,午前中なら十時から十二時まで,午後なら二時〜四時くらいの間がいいでしょう。ただし,女性の家が会場から遠い場合は,女性の身仕度の時間を考えて午後に設定するよう配慮します。
   場所は,ホテルのティーラウンジやレストラン,予約席のある喫茶店,あるいは紹介者の自宅などが一般的です。よく使われるのは,ホテルのロビーで待ち合わせて,ホテル内のティーラウンジを利用するスタイル。初対面の間柄でいきなり食事をするのは気づまりなものです。お茶とお菓子で二時間ほど,気軽に話し合うのがいいでしょう。食事どきを避けるのは,紹介者宅で行う場合も同様です。
●服装のバランスを考えてアドバイスする
   服装については,まず女性側の意向を聞き,そのうえで男性側にバランスのとれる服装をアドバイスします。
   改まったよそおいか,外出着程度かは,見合いの場所によって決まりますが,会場が喫茶店やホテルのティーラウンジの場合は,外出着程度でいいでしょう。女性側がドレッシーなよそおいを主張したら,男性側にはダークスーツを着用してもらうようアドバイスします。
●付き添い人がつく場合は双方一人ずつ
   最近は付き添い人なしのお見合いが一般的ですが,どうしても付き添い人がいるなら,双方一人ずつ。一方だけ付き添いがいて,一方は本人だけといったことのないように気をつけます。
   付き添いについて相談を受けた場合は,男性側には母親が,女性側には父親が付き添い,それぞれ異性の目で判断するようアドバイスします。


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