結婚のマナー

縁談を依頼されたら(紹介者側)

−紹介者の服装は?
●主役を引き立たせる地味な服装を選ぶ
   見合い当日の紹介者は,裏方に徹しなければなりません。主役の二人を引き立たせるためにも,服装は落ち着いた地味なものを選びます。
   男性はダークなスーツを,女性は和洋どちらでもかまいませんが,本人より派手になったり目立ったりすることのないよう,色柄などを抑えぎみにするのがエチケットです。襟元が大きくあいているデザインやドレッシーすぎるものは避けたほうがいいでしょう。
   また,紹介者宅が会場の場合でも,外出着程度のよそおいで迎えるようにします。

−見合いの席順は?
●美しく映える席に女性をセツテイングする
   見合いの場所が決まったら,紹介者はあらかじめ下見をして,当日の席次を考えておくほうがいいでしょう。当日はいちばん先に会場に着くようにして,席のセッティングをします。とくに和室の場合は,上座下座といったことを意識してしまいがちです。一般には,上座の前で当人同士が向かい合い,紹介者は下座から上座に向きます。
   しかし,見合いの席で大切なのはお互いの印象です。室内に入る光の具合などを考慮して,なるべく女性が美しく映える席に位置するよう気を配りたいものです。窓ぎわの席なら外の景色を生かして,窓を背にした席に女性を,そして向き合う形に男性を位置します。

−紹介の手順,話のすすめ方は?
●最初に男性側を女性側に紹介する
   全員がそろったところで,紹介者は「本日はようこそおいでくださいました。これを機会に,お二人がお近づきになっていただければ,たいへんうれしく思います。どうぞ,お気軽に話し合っていただきたいと思います」と簡単なあいさつを述べ,双方を紹介します。
   最初に男性側を女性側に,ついで女性側を男性側に紹介し,付き添いがある場合には「小林和雄さんとお母様の里子様」というふうにつづけて紹介します。
   紹介が終わったところで本人同士の話に入っていくわけですが,最初は堅苦しい話題は避け,世間話や共通する趣味,特技などを中心に会話のきっかけをつくっていきます。
●なごやかな雰囲気で話題の提供に気を配る
   その場の雰囲気をなごやかなものにして,本人たちに話しやすくさせるのが,紹介者の大事な役目です。順調に話が進んでいれば相槌を打つ程度でかまいませんが,沈黙がつづきそうなら,さりげなく話題を提供しましょう。そして,話題が一方の関心に片寄るようなら,タイミングをみて話題を転換し,できるだけ双方のいろんな面をひき出すよう心がけます。
●頃合いをみて二人だけになるきっかけをつくる
   話がはずみ,本人たちがリラックスしてきたと思ったら,頃合いをみて「あとはご本人同士で・・・」と切りだして,二人だけになれるきっかけをつくります。だいたい一〜二時間前後を目安にお開きにします。二人をそのままデートに送り出してもかまいません。
   しかし,本人たちにとっては,二人だけになってからが見合いの本番ともいえます。その意味からも,紹介者は二人だけになったあとの話のきっかけや材料を用意し,なごんだ雰囲気をつくっておくのが大事で,見合いの席ではそのためのアレンジこそが,紹介者の最大の役目といえます。

−支払は誰がするの?
●紹介者が立て替えるのが一般的
   当日の費用は,当事者双方で折半にするのが常識です。ただ,支払いの段階でごたごたするのは見苦しいものですから,その場は紹介者が立て替えるのが一般的です。紹介者は,見合い前の打ち合わせのときに,双方で費用を折半することを伝え,当日は自分が立て替えるか,事前に預っておくか決めておくようにします。紹介者宅が会場の場合,食事を用意するときは実費程度を伝えたほうがいいでしょう。
 


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